INTERVIEW

01 02 03

戸塚 佑貴

取締役 Head of Games

原体験から次世代まで。ゲームで発想する習慣を持つ

INTRODUCTION
創業期から現在までのアカツキの成長についてHead of Gamesとしての立場から話してもらった前編に続き、ここからは「戸塚さんとゲーム」について、よりパーソナルなエピソードを交えて紹介したい。生涯を通じて熱中し続けているという、あるジャンルとは?

経営ゲームにはまった子ども時代

ここからは「戸塚さんとゲーム」というところを深掘ってお聞きしていきたいと思います。そもそも原体験として、初めてゲームに触れた頃のことは覚えていますか?

6歳とか7歳で、ファミコンとスーパーファミコンの変わり目の頃でした。ファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』からスーパーファミコンの『マリオカート』、その後に『ドラゴンクエスト』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズ、ニンテンドウ64の『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』を夜通しで遊んだりと、ゲームの原体験としては割と王道だったと思います。

幼少期から現在までを通して、戸塚さん個人として一貫して好きなゲームジャンルというのは決まっていますか?

子どもの頃に1番遊んだのは多分プレイステーションの『テーマパーク』で、まさしくテーマパークを経営するゲームですね。まずアトラクションを作って、それもお客さんの導線を確保するためになるべく奥の方に配置して、その近くに飲食店も作って、さらにそこのポテトの味を塩辛くすると隣のお店のドリンクがよく売れるみたいなことを調整しながら、それで得た資金は新しいアトラクション開発のための研究に回して、一定以上の顧客満足度や売り上げ高を達成したらその土地ごと売却して新たな場所にまたテーマパークを作るという……、楽しかったなぁ(笑)。

なんだか、ゲームの中でも経営をしているような感じですね・・・(笑)

そこまでではないです(笑)。でも確かに、最近1番ハマっている『Factorio』というSteamで販売されているのPCのインディーゲームも、工場を建設して、そこに鉄や石炭や銅などの掘った資源をベルトコンベアーで送って、科学技術を発展させて最後はロケットを打ち上げるという内容で、最近の週末はずっとベルトコンベアーの効率的な配置を考えているんですけど(笑)、今思うと子どもの頃から経営シミュレーションのような領域はずっと好きだったかもしれないですね。それはゲームの中だけでなく、大学も理工学部で、オペレーションズリサーチや経営工学などを学んでいましたから。

前編でお話された「バッターボックス」の例えを、アトラクションや工場に置き換えるとしっくりきますね。

確かに全体を俯瞰して構造を理解しつつ、ボトルネックになっているところをシューティングするのって、ゲームビジネスに置き換えるとクリエイターが創造的なことに時間やを使えるように、立ってもらうバッターボックスの場所を間違えないようにしてあげる、という一面はあるとおもいます。今の自分があるのはゲームで学んできたことが土台にあるのかもしれません(笑)。

今の子どもたちにとっての
ゲームの原体験を見たい

戸塚さん個人の好きなゲームをお聞きしていると、1人で遊ぶものが好きなように感じるのですが、複数人で遊ぶゲームはいかがですか?

もちろん好きですよ。つい最近もある新作ゲームが発売された翌日にアカツキの同僚3人と集まって仕事終わりの21時くらいから夜中まで遊んでいました。とは言えみんなゲームのプロなんで、ただ遊ぶというよりも、パッケージを開封している時から「ターゲットユーザーはこのくらいに設定してるよね」みたいな感じですけど(笑)。

同僚と仕事以外に会ったり、ましてや家で一緒にゲームを遊ぶことって、世間的には結構珍しいことですよね。

アカツキはそういうのが多い方かもしれませんね。仕事と遊びを切り分けていない人が多いからなのか(笑)。この前も、それこそ今年うちに入社したばかりの新入社員と、役員の小川と、小川の6歳になる娘さんと4人でゲームしてました。僕はTPS(サードパーソン・シューティングゲーム)が得意じゃないのですぐに負けそうになるんですけど、6歳の娘さんがめちゃくちゃ上手くて、いつも助けてくれるんです(笑)。

世代を超えたコミュニケーションですね(笑)

その話自体も面白かったですけど、今の子どもたちにとってのゲームの原体験を見たいという好奇心もありました。先ほど話した僕の原体験とは違って、FPSやTPS(サードパーソン・シューティングゲーム)という2000年代に入ってから流行ったジャンルをベースにして、ゲームの中で人と知り合って、話しながら仲良くなって遊ぶみたいな感じですからね。

そうやって俯瞰して考えると、これから先の未来の子どもたちに求められるゲームというのもまた大きく変わっていきそうですね。

まったく新しいものに変わっていくと思います。2000年代のFPSやTPSと呼ばれる欧米中心のアクションゲームが世界を席巻したことで、かつて僕が原体験として遊んでいた日本のRPGゲームが今では「クラシカルRPG」と呼ばれるようになったように、ゲームジャンルも時代に合わせて変革してきていますからね。

オフタイムの遊びも重要なインプット

ここまで戸塚さん個人の好きなゲームを色々お聞きして来ましたが、それらは「アカツキとして作るゲーム」の参考になっていたりするんですか?

あくまで僕が好きなのと、広くゲームを研究するという意味で遊んでます。仕事中もゲームを触っていますが、オフタイムにゲームを遊んでいる時にアイデアが生まれたり、膨らんだりすることが多いです。

例えば漫画やアニメなど、メディアミックス的なアプローチというか、他ジャンルから「このコンテンツをゲームにしたい」という思いが生まれることもありますか?

漫画は月に3~40冊は読んでいて、大好きなコンテンツもあるんですけど、ゲーム屋としてシリアスな面を知っているからか、好きなコンテンツだからと言ってなんでも仕事にするのはよくないと思ってしまうんですよね。

確かに、「仕事」と「好きなこと」が近い分、それを分けることの難しさはありそうですね。

そうですね。だから最近は「仕事」にするかどうかはあまり考えず、まずは僕が読んだ漫画や、観たアニメや映画、遊んだゲームなんかを同僚のみんなにパスするようにしているんです。観察っていうとあれですけど(笑)、誰が何に引っかかるかを見るのは面白いですし、「この人こういうのが好きなのか。だったら今度アカツキで作るこのゲームに参加してもらおう」って考えたりはしますね。まぁそんな深く考えずに無邪気にエンタメコンテンツの話をしていることのほうが多いですが(笑)。

戸塚さんにとってはある意味24時間すべてが仕事というか、ゲーム作りのインプットになっているんですね。

そうかもしれないですね。生きてる時間ずっと楽しいですよ(笑)。